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エべレスト街道トレッキング(迷子編)

2010.11.26~28.

ネパール

エベレスト街道 トレッキング【迷子編】

【7日目】 2010年11月26日 (金) 08:00起床

結局ほとんど寝れずに朝を迎える。朝食もあまり喉を通らない。ゴーキョにもう1泊してから氷河を越え、チョラ峠を目指した方が良いのだろうか。周辺地図を見るとこのまま氷河沿いを歩けるトレイルがあるみたい。とりあえず少し歩いて様子を見ることに。

エベレスト街道地図

朝一番のドゥードポカリは素晴らしい。ちょうど風も無く景色が鏡の様に反射していた。ちなみにこの湖畔をずっと歩いて行くとレンジョ峠へ向かうトレイルがある。向うから無事にやって来た人の話ではそこからの眺めは最高らしい。

ドゥードポカリ

ヤク

フォースレイク ゆっくりとモレーン沿いを歩いて小1時間。4番目の湖に到着。氷河が山を削りできたロックフラワーが混入し過ぎているのだろうか白濁している。このままトレイルは続き、ビューポイントまで歩くとエベレストの北壁が見えるらしい。

ンゴズンバ氷河 モレーンの上に立つとンゴンズバ氷河とその上に覆い被さるモレーンが見えた。左も右も永遠に氷河が流れている。長さはヒマラヤ一の36km。仕事で良く行くコロンビア大氷原のアサバスカ氷河が6kmだから単純に6倍の長さ。本当に単独で反対側まで渡れるのだろうか。全て氷河が押し出した土砂モレーンに見えるけど、その下に氷河があるアイスコアモレーン。氷河の裂け目クレバスもあるだろう。自分的にはこの後のチョラ峠へのトレイルを心配していたけど、その前にコイツを越えなきゃいけない現実が目の前に迫る。恐怖と同時に高揚感も覚えた。
ビューポイントまで行くのを止めゴーキョへ戻る。

チョラ峠への分岐 テンションが高まったからか食欲も回復し宿でランチタイム。地図を再度確かめ氷河を越える分岐点まで戻った。特に表記もないけど、他にこの丘を越えるトレイルも見当たらない。上まで上がると分かり易いトレイルが続いている。

ンゴズンバ氷河

ゴーキョからの展望 昨日の写真を参考にすると、矢印の方向にンゴズンバ氷河を越えて行く。今日は氷河を越えた先にあるタグナンの村で1泊。翌日、チョラツェの左端にあるチョラ峠を越えてゾンラまで行く予定。
氷河に降りるまでの道は非常に分かり易い。その後は石を積み上げたケルン(道しるべ)を頼りにトレイルを探す。氷河の真ん中くらいまで来ると氷河が溶け、小さな氷河湖を形成しているのが分かる。この池が行く手を阻む。ケルンに従い歩くと池で渡れない。行っては戻るを繰り返し、なかなか反対側が近づいて来ない。全く他のトレッカーに出会わないなー。昨日、ゴーキョの宿で何人かタグナンに行くと言っていたのに。

アイスコアモレーン

氷河湖

氷河がj崩れる 向うからゴーキョ側に来る人もいるはずなのに見かけやしない。ゴロゴロドカーン。氷河が崩れる音がさらに不安にさせる。明るいうちに何とか道を探さないと。とにかく頼れるのはケルンだけ。別のルートに入るとロックフラワーに足跡を発見。

今度は足跡を頼りに歩くと反対側に近づいてきた。そこでまた池が邪魔をする。池の向うにはケルンがあるのに。渡るすべがない。道を引き返すと風で砂が舞い、歩いてきた道の足跡が消されてる。良く見ると至る所に足跡があるし。もうどれが正解かも分からなくなってきた。

ロックフラワー

時計を見ると午後3時過ぎ。すでに2時間近く氷河の上で彷徨っている事になる。しかし、戻ろうにも迷い過ぎ、帰りの道も定かではない。完全に迷子です。あと30分だけ探しダメだったら戻ろうと決意。そこから20分歩き回っていると反対岸に女性を発見。手を振り力一杯叫んだ「トレイルが見つからない!」。女性「No Way, Back to Gokyo」。道は無いそうだ。氷河が崩れ湖が巨大化したので道は無いらしい。とにかくゴーキョまで戻れと。頭が混乱した。

谷 ゴーキョからチョラ峠を越えてロブチェに抜けるルートはもうないのだろうか。とにかく暗くなる前に氷河を抜けないと標高4700mの氷河の上で1泊する事になる。とにかく早く戻らないと。思えば思うほど空回り。午後4時を過ぎると少し暗くなり錯乱状態もピーク。

そして夕方4時半、丘を越えファーストレイク付近に出てきた。この時に見た谷の景色は一生忘れないだろう。ゴーキョに戻り再チャレンジする事も考えたが気持ちが追いつかない。足はもうゴーキョ方面に向かわなかった。下山する事を決意しパンガまで戻った。

【8日目】 2010年11月27日(土) 07:00起床

昨晩、衝撃的な事が。何と2日前にも泊まったファンガビューホテルのオーナーがンゴズンバ氷河を越えるトレイルが無くなった事を知っていたのです。去年の夏に氷河が崩れて湖が大きくなったのが原因らしい。今はゴーキョの裏手から行くとの事。だから誰にも会わなかったのね。彼曰く「先週もロシア人とドイツ人が氷河で迷い1泊してきたよ。はっはっはー」。チョラ越えするって言ったじゃない。知っていたのなら教えてよ。しかも5年日本に住んでいたらしく日本語ペラペラだし。やっぱり現地での情報収集は大切ね。ガイドブックと地図を信用した自分がバカだったのです。

トレイル 新事実は分かったものも、もう心は折れています。一目散に山を下ります。早くカトマンズに帰って旨い飯を食おう。あっという間にドーレを過ぎポルツェテンガの村が谷底に見えてきた。とりあえずシーメーを食って今後の予定を立て直す事に。

ポルツェ

橋 このまま一気にナムチェまで戻ろうかと地図を眺めていると、この後モンラまで300m登る事に気がつく。さらに大好きなアマダムラムをもっと近くで見たいし。とりあえず反対側の村ポルツェまで行ってみよう。

標高もだいぶ下がり食欲も出てきたので、このトレッキングで初めてステーキをいただく。私以外に宿泊者の姿がみえない。静寂のキッチンで茶をすすりながら今後の予定を再構築。パンボチェまで行きナムチェを経由して下山するか、前回行かなかったチュクン・リまで行ってから帰るか。結論が出ないまま久々に熟睡。

ポルツェの宿

【9日目】 2010年11月28日(日) 07:00起床

久々にゆっくりと寝れたので調子が良い。氷河で迷ったせいで無くなったやる気が復活。またココに来れるか分からない。だったら見れる所は見ておこう。今日はディンボチェまで足を延ばし、明後日「アマダブラム」が間近に見えるチュクンリに行く方向で。

ポルツェの村

セルフショット ポルツェの村は意外と大きい。イモ畑が広がりトレイルの発見に手間取った。村を抜けると眺めの良いトレイルが続く。眼下の谷底にもトレイルがあり、テンボチェの村が見えるじゃない。7年前は10月の繁忙期に来たから、テンボチェの宿が全て満室状態でキッチンで寝袋を使って寝たのを思い出した。
その時に比べると本当に人が少ない。今日のルートはもともと使う人が少ないのでしょう。誰にも会わず1時間が経過。天気も良くなったでセルフショット。設定をすれば5秒毎に1枚ずつ写真がタイマーで撮れる。便利ですな。

おっ!前方に「アマダブラム」。前回のトレッキングで一番好きになった山。とにかく尖がっている様が格好良す。1度は完全に折れた心も、この山を近くで見たいというモチベーションから復活したし。パンボチェまで向かう道中、この山に癒され続ける。

アマダブラム

チョルテンとアマダラム

パンボチェとアマダブラム

イムジャコーラ パンボチェで脂っこい焼きそばを頂き、すっかり胃がもたれたところで出発。下のトレイルと合流し氷河のとけ水であろう川「イムジャコーラ」が青く輝く。いやぁ良いね。水が流れる音を聞くと心が癒されるよ。人が気持ち良く歩いていると、地元のおっさんが話しかけてきた。「先月アマダブラムを登頂しに行った日本人が山頂付近で意識を失い、ロープで宙ぶらりん。助けに行ったレスキューのヘリが山に衝突したんだよ。」とてもファーストコンタクトとは思えないトークを繰り広げたおっさんは、ディンボチェで宿を経営してるらいし。で、泊まりに来いと言うではありませんか。

ディンボチェへの橋 飯食うなら宿代タダよ。そう良い残すと、奇跡的なスピードで消えて行きました。川を越えディンボチェへ。7年前に訪れたこの村、ここで韓国人もおばちゃんとアニキ(長渕剛)の話で盛り上がったんだよなー。感傷に浸りながらさっき会ったおっさの宿を探す。

ディンボチェの村

意外と簡単に見つかった「タシロッジ」。本来ならチョラ峠を越えているはずなので、ディンボチェに来るはずじゃなかったんだよね。おっさんに会ったのも何かの縁と、お言葉に甘え1泊させてもらいました。男同士の熱いトークでもと期待してたのに、顔をチラッと見て姿を消すオヤジ。つれない人ね。夜になると彼の息子(推定25才)が買ったばかりのiphoneの説明書をヘッドランプで読み込んでいます。ナムチェならまだしも、標高4360mのディンボチェでは携帯の電波は立ちません。5年後にはわかりませんが、、

ディンボチェの宿

老ける さて、明日はチュクンの村を経て、天気がよければチュクンリまでの予定。7年前は高度順応日を兼ねて、ディンボチェからチュクンの村まで日帰り小旅行。しかし、疲れがピークで記憶があまりない。残っている写真も当時26才とは思えない写真のみ。

そのリベンジと燃えていたのですが、地図を見るとカラパタールまであと2日で行ける事に気づく。すでにゴーキョで5000mも越えてるので高度順応日をとる必要も無し。明日ロブチェ1泊、明後日カラパタールまでの日帰りコースだったら十分にいける。
今回リベンジでエベレスト街道トレッキングに来た理由。それはすでに失敗したチョラ峠を越える事。でも、もう1つあったじゃない。エベレストの写真をたくさん撮りに来たんだよー。チュクンリだとエベレストは見えねーし。1度は諦めたカラパタールへの登頂を再度目指す決意をし就寝。

ナムチェ~ゴーキョ編前項| エベレスト街道トレッキング【迷子編 】| 次項カラパタール編

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